漫画『岸辺露伴は動かない』第2巻のあらすじ・感想

どうもヒヨコです
『岸辺露伴は動かない』の第2巻を読みましたので感想を述べます
第2巻は短編4話が収録されています

望月家のお月見

あらすじ

必ず中秋の名月に直系親族が亡くなっている望月家の話です
中秋の名月に野球の試合に行こうとする息子やデートに行こうとする娘ですが、父親はそれを許しません
なぜなら死ぬかもしれないからです
母親は癌の診断を受けていますが、今日を乗り切れば死ぬことはないという父親
庭でバーベキューをしようと、準備をする家族
プールを設置し、テレビまで持ち出します
外に出した金魚鉢からはずみで金魚が飛び出て、祖母の口の中へ入り、死にかけますがなんとか吐き出します
娘の恋人から電話が入り、みんなが寝ている隙に外に出て会いに行きます
月の化身のうさぎが娘を追いかけます
娘のシャツが風に流され、排水溝のそばに落ちますが、そこには蜂の巣が
祖父は蜂に刺され、アレルギー発作で死亡しています
娘が拾って羽織ったシャツには大量の蜂が集っています
間一髪恋人から婚約指輪が渡されます
娘はもう望月家の人間ではないと、うさぎは今回は退きました

感想

まず中秋の名月に直系親族が必ず死ぬという設定がいいですね
現実にはあり得ませんがホラーの設定としてはありです
祖母が死ぬと見せかけて死なない演出もサスペンス感を高めていていいですね

祖父が蜂のアレルギーで死んだという伏線を張って、娘の命の危機に繋げる展開もうまいです

月曜日天気-雨

あらすじ

岸辺露伴は打ち合わせのため電車に乗ろうと駅に来ます
行き交う人々はスマホを見ながら歩いていて、露伴にぶつかってきます
老婆がぶつかりそうになったので避けると、老婆は心臓を抑えて倒れます
ホームに入っても次々と人にぶつかられ、ついにホームに突き落とされます
助けようとしてくれた太った男にヘブンズドアをかけると、その人はいたって善人でした
その男も突き落とされ、ホームの人間は駅員含め次々と線路に落ちてきます
反対側のホームからも落ちてくる人々
露伴は太った男にみんな寄ってきていることに気づきます
みんなが持っているスマホから新種の昆虫が出てきて、太った男を襲います
この昆虫は普段はスマホの中にいる電磁波を食べる新種生物です
心臓の弱くなっている太った男の帯びた電気を食いにきたのです
電車が近づいてきましたが、トラックが突っ込み止まります
トラックで電車につっこんで止めるよう、駅員にヘブンズドアで書き込んでいました
この事故で死んだのは太った男だけです
露伴が駅を出ようとするとさっき倒れたら老婆とすれ違います
老婆には太った男に集っていたのと同じ虫がついていました

感想

確かに駅にいる人を見ると、みんなスマホを見ています
冷静に見るとかなり異様な光景です
これをスマホに棲む虫のせいとするアイデアがいいですね
敵が攻撃してきているのではなく、電気を捕食するために太った男に集っていただけというのも意外でいいです
身近なホラーが一番怖いんですよね
気になったのは冒頭フライドチキンにヘブンズドアをかけて、賞味期限を確認しているところです
フライドチキンになった死んだ鳥にヘブンズドアをかけても、死としか書いてないのではないでしょうか

D・N・A

あらすじ

露伴が知人の由花子の、そのまた知り合いの真依から聞いた話
真依は15年前に夫を事故で亡くしてから恋愛していません
ただ子どもは欲しいと精子バンクを利用して真央を産みました
真央は逆さ文字で喋ったり、足元が常に濡れていたりとかなり個性的です
露伴が真央にヘブンズドアをした隙に、父親が30歳で山形に住んでおり、額に傷があることを真依は知ります
ある日、真依は真央を連れて山形へ行きました
そこで偶然真央の父親の特徴を持つ男を見つけます
後をつけるとそこは真央を遊ばせていた公園でした
男と話していると、その男は死んだ夫と全く同じ癖を何個も持っています
男は15年以上前に登山で死にかけたことがありました
真依は夫の生まれ変わりだと思い、ついには再婚します

感想

真央の本当の父親をヘブンズドアの情報で見つけ、かつその男は死んだ夫の生まれ変わりというダブルの展開です
真央のキャラクターもかなり奇抜ですね
逆さ言葉やシッポはまだ奇形云々でいいと思いますが、足元が濡れていたり、保護色化する体というのは人間の域を超えています
そこまで個性的にする必要はあったのでしょうか

ザ・ラン

あらすじ

露伴は橋本陽馬という若手俳優とトレッドミルで勝負することに
橋本陽馬はトレーニングに狂い、トレーニングの邪魔をする人間を次々と殺害していました
露伴と陽馬のトレッドミルを止めることができるのは、一つのリモコンだけ
陽馬は勝負の途中側のガラス窓を破り、トレッドミルの上で転倒すれば、窓の外に投げ出される状況を作ります
露伴はヘブンズドアで陽馬にリモコンを取っても露伴のトレッドミルを停止するよう書き込み、なんとか勝利しました

感想

岸辺露伴のエピソードの中で一番好きな作品です
なぜなら、一番リアルな恐怖を感じるから
陽馬のような人間は普通にいそうですね
こういうリアルな狂人が一番ホラーだと思います
ただちょっと気になるのが、今回露伴が書き込んだのはヘブンズドアで生じたページではなく手の甲です
これでも書き込みの効果は発動するんですね

ぜひ第3巻の発売を希望します

露伴の漫画は2023年7月現在、2巻までしか出ていません
露伴シリーズは小説もありますので、是非漫画化していただきたいですね
以上、『漫画『岸辺露伴は動かない』第2巻のあらすじ・感想』でした