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【ネタバレ】映画『母性』のキャスト・あらすじ・感想【評価】

どうもヒヨコです
映画『母性』のキャスト・あらすじ・感想です

キャスト

田所ルミ子:戸田恵梨香
田所清佳:永野芽郁
田所哲史:三浦誠己
佐々木仁美:中村ゆり
田所律子:山下リオ
田所清佳(幼少期):落井実結子
黒岩克利:深水元基
ルミ子の義父:加藤満
神父:吹越満
中谷亨:高橋侃
ルミ子の義母:高畑淳子
露木華恵:大地真央

あらすじ

大阪市で女子高生が飛び降り自殺をするという事件が起き、警察は自殺と他殺の両面で捜査していました。

高校教師の清佳(永野芽郁)は自殺した女子高生の母親の「愛能う限り大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」とのコメントを見て、自身の生い立ちを振り返りながら母性というものを考えていました。清佳の母親のルミ子(戸田恵梨香)は裕福に育ったお嬢様。ルミ子の父親は早くに亡くしていたものの、母親と二人で幸せに暮らしていました。

ルミ子は24歳の時に絵画教室に通っていた田所(三浦誠己)と結婚しました。ルミ子は田所があまり好きではありませんでしたが、母親が田所を気に入ったので友人の反対などを押し切り田所と結婚するに至ります。その後母親に助けてもらいながらも幸せに過ごしたルミ子、やがて清佳が生まれます。

清佳が幼稚園に上がった頃、台風が近づいていたある日。田所は夜勤で出かけていて、ルミ子の母親が来ていました。清佳がルミ子の母親と寝たがったので一緒に寝させていたのですが、落雷が起き、その影響で木が倒れルミ子の母親と清佳がタンスの下敷きになってしまいます。

カーテンに火がつき非常に危険な状態です。ルミ子は母親を助けようとしますが、母親は清佳を助けるよう言います。嫌がるルミ子の手を振り払い、逃げるよう告げる母親の言うことを聞き、泣きながらルミ子は清佳を抱え逃げ出します。

結局、ルミ子の母親は亡くなってしまいます。その後、家が火事でなくなってしまったので、田所の実家に居候することになります。

何かと口うるさい義母(高畑淳子)に黙って従うルミ子。夫である田所は何も言わず黙っています。高校生になった清佳にはなぜルミ子が黙って従っているのか分かりません。ある日、義母に口答えした清佳を、ルミ子は部屋に戻り軽く叱ります。それでも清佳はルミ子を手伝い喜ばせようとしますが、ルミ子に冷たくあしらわれます。

ルミ子は何があろうとも義母に従い、田所の妹である律子(山下リオ)でさえも同様に接します。やがて義母は認知症を患います。清佳は老人ホームに入れたらどうかとルミ子に提案しますが、とんでもないことだと反対しました。清佳とルミ子の関係が悪化の一途を辿ることになります。

清佳はある日、父親が仁美という女と不倫していたことを知り、問い詰めると祖母が清佳を守るため自殺したことを初めて知ることになります。家に戻った清佳はルミ子に真実なのか聞くと、ルミ子はそれを認めました。酷く動揺し、ごめんなさいと謝る清佳をルミ子は宥めようとしますが、清佳は受け入れられずルミ子を突き飛ばしました。ルミ子の脳裏に、母が亡くなった日の記憶が蘇ります。

「子供なんてまた産める」と清佳ではなく母を助けようとしたルミ子に、母は「自分の命が未来に繋がるのが嬉しい。あなたを産んで幸せだった。ありがとう。これからは愛能う限り大切に清佳を育ててあげて」と告げ、ハサミを首に刺して自殺したのでした。それを見たルミ子は泣きながら清佳を助けたのです。

全てを清佳に語ったルミ子は「愛してる」と清佳にハグするかと思いきや、首を締め始めたのです。清佳はルミ子になら殺されてもいいかと思っていたのですが、思い直し、ルミ子を振り払い逃げてきた台所で膝を抱えます。

その夜、清佳はルミ子ではなく自分で命を絶とうと首を吊るのでした。しかし失敗に終わり、義母に見つかると救急車を呼ばれてしまいます。薄れゆく意識の中、ルミ子が清佳の名前を叫びます。

やがて意識を取り戻した清佳。ルミ子は清佳の手をずっと握っていたようです。清佳が意識を失っていた間、ルミ子は懺悔室で自らの非を認め懺悔しながら清佳の無事を祈っていました。

大人になった清佳が同僚の先生たちと飲みながら話をしています。ニュースでみた亡くなった女子高生に、女には2種類あると伝えたかったと話す清佳。どんな種類なのか問う同僚に「母と娘」と清佳は答えます。

いつまでも誰かの娘でいたい人もいるのだと話す清佳。清佳はどうやら妊娠しているようです。清佳が電話でルミ子に妊娠したことを伝えると、ルミ子から「命を繋いでくれてありがとう」と言われます。帰宅の途につく清佳は「私は(母か娘か)どっちかな?」とお腹に手を当て考えるのでした。

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感想

湊かなえ原作の映画です
正直湊かなえの小説って苦手なのですが、映像化されると結構面白いんですよね
この映画もなんとなく不気味は雰囲気がずっと漂っていてよかったです
ルミ子がかなり怖いですよね
ルミ子の母親は結構ノーマルなお金持ちの奧さんって感じなんですけどね
言っていることも、やっていることも結構常識的だと思います
そこに愛はある母親・大地真央です
なのになぜルミ子があそこまで母親の顔色を窺って生きる人間になったのかは謎です
愛されすぎたが故にもっと愛してほしい人間になってしまったということでしょうかね
マザコンって大体男に向けた言葉ですよね
女性のマザコンって、珍しいですよね

自分の母親に褒められたいというならまだしも、義母にも褒められたいと毎日罵倒されても反抗することなく生活するルミ子
理解不能です
普通出てくでしょ、あんな家
あの旦那は一体なんなんでしょうね
それでもとにかく我慢に我慢を重ねるルミ子です
なんやかんや義母の介護が必要になった今も、夫の不倫相手が出入りする家に暮らしているようです

ルミ子の娘の清佳もやっぱりちょっと変わってますよね
居酒屋の知らない客にいきなり注意してみたり
かなり面倒臭い女です
このドラマの主人公は誰なのか
ルミ子なのか清佳なのか微妙なところですが、だからこそ観客は誰に感情移入すればいいのかわからない作りになってしまっています

構成は三幕に分かれていて、一幕目はルミ子視点、二幕目は清佳視点、三幕目は2人の視点になっています
祖母に小鳥の刺繍の入ったバッグをもらって、清佳が今度はハローキティのがいいというシーンはこの視点の切り替えが効いてましたね
黒澤明の『羅生門』とは違って、事実関係の齟齬はほとんどありません
このシーンでいうと、ルミ子視点ではお弁当を落として、清佳を優しく諭すものになっていましたが、清佳視点だとルミ子がお弁当を床に叩きつけ、完全にキレている姿が映っていましたね
戸田恵梨香の演技力が光っています

ルミ子の母親が首を刺して自殺した事実は後の方まで隠されていましたが、その意図もよくわかりません
その事実をルミ子が清佳に知らせた後、ルミ子は清佳の首を締めますが、なぜルミ子は清佳を殺そうとしたのでしょう
お前がいなければ、母親が自殺することはなかったと今更になって殺意が芽生えたのでしょうか
本当に娘を殺そうとした母親と、母親に殺されそうになったことをきっかけに自殺未遂をした娘が、あんなにも笑顔で話せるようになりますかね

最後に清佳は「私は(母か娘か)どっちかな?」とお腹に手を当てて考えていますが、意識が娘のままのルミ子に育てられ、いわばルミ子の母親のような清佳は、きっとお腹の中の子どもの母親になるでしょう

しかし、最後まで清佳の名前が出てきていなかったことに気づかなかったな

以上、『【ネタバレ】映画『母性』のキャスト・あらすじ・感想【考察】』でした